理事長あいさつ


「住み慣れた町で住み続けたい」
 誰もが願う、このあたり前の生活を実現させることが、ますます困難な社会になりつつあります。特に、介護や生活上の支援が必要となった高齢者が、この思いを叶える事は並大抵のことではありません。社会福祉法人泉湧く家は、こうした多くの高齢者やご家族皆さんの願いを実現させる「お手伝いをさせてほしい」との思いから誕生しました。
 法人は、故伊藤忠雄、冨久様ご夫妻のご意志と貴重なご寄附で設立されました。
 最愛のご主人が他界されて数ヵ月後、「長く住み慣れた地域の皆さんに感謝の気持ちとしてお役に立ちたい」と、自宅や財産を託しての法人設立を相談されました。そして、ご一緒に準備を進めていたさなか、冨久様も平成17年7月他界されました。
 私達は、このような伊藤様のご意志に応え、「住み慣れた町で住み続けたい」と願う高齢者とご家族、関係者の皆様とも協力して、心のこもった介護サービスの提供に全力を挙げる決意です。

 私は、人間という動物は死に至るまで「意識して(目的を持って)能力を発達させることの出来る生き物」であると考えてきました。どのような障害があろうとも、その方の持つ発達の可能性、潜在的な能力をいかに発見しひき出すことが出来るか。
 そこにこそ、介護サービスに携わるものにとっての使命、役割があると考えています。
 法人の各事業所が、筋力向上トレーニング、学習療法、音楽療法、回想法と映画会等などに積極的に取組んでいるのは、そのような使命と役割に挑戦する思いの表れでもあります。
 私達は、一人ひとりの高齢者の生い立ちや価値観、そして人間としての尊厳を大切にし、その方の能力と可能性を最大限引き出す介護サービスのあり方を創造する。このための努力を、常に役員、職員が共に目標として挑戦できる法人に成長したいと念じています。

 「お健やかに!」との言葉は、赤ちゃんや子どもたちにだけある表現ではありません。
 私は、激動の時代に齢(よわい)を重ね、社会の発展を担ってきた高齢者の皆さんだからこそ、誰もが「健やかに老いる」権利を持っていると考えています。憲法13条の個人の尊重や幸福追求権、25条の生存権と国の保障義務、これらを介護の現場で実現させることが、とりわけ大切な時代を迎えているのではないでしょうか。
 だれもが安心して暮らし、いつでも必要な介護が受けられる時代を作るために、皆様とともに力を合わせて参りたいと存じます。

2007年6月

私たちはめざします 
 1

「その人らしく生きること」を人権の基本としてとらえ、その方の生活史に根ざした意思決定のできるかかわりをご家族、職員の参加で検討し、介護に反映させます。

 2

「その人の有する能力」を引き出し、発達の可能性を大切にした自立支援、あらゆる生活の場面がリハビリテーションの効果を持てるようケアサービスの充実をめざします。

 3

介護サービスの提供にあたっては、拘東、虐待等の人権侵害は行いません。

 4

利用者が、地域社会の一員として地域の交流に参加し、家庭的な環境の中で生活できるよう、積極的な社会参加の機会をつくるようにつとめます。そのために、町会等の地域団体との協力関係を日常的につくります。(「いけぶくろの家」「いけぶくろ」では、近隣5町会との協力覚書を結びました。)

 5

エビデンス(科学的な根拠)にもとづくケアサービスを目指すために、ケアプランの定期的な見直しと意思統一を重視するとともに、職員の技術力の向上につとめながら、職員間の連携や業務の基準を追求します。

 6

利用者の日常的な健康保持に留意するとともに、かかりつけ医・協力医、地域の医療機関との連携を強め、ご本人や家族の希望により、ターミナルケアにも取り組みます。